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2024/04/26 EDIT CATEGORY: TRACKBACK URL 

白い犬のはなし





4月25日

確かめたいことがあった




84da72fb.jpeg






















ここのバス・ストップから

民家方向へ坂道を下りてくと




こんな溜池がある

87a21992.jpeg

























ここの溜池で

俺は不思議な体験をした

中学1年生の頃だった





春先だったか、秋口だったか

その日

友達2人に釣りに誘われて

チャリンコで、ここの溜池に来た

当時、友達は釣りに熱中していたので

ここの溜池に誘われたのは3回目くらいだった

当時から俺は釣りに興味がなく自前の竿を所持してなかったので

友達の家の倉庫に眠ってた竹の釣竿を貸してもらっていた



俺の借り物の竹釣竿ではぜんぜん釣れなかった

そして

友達のばっか釣れるから、もう嫌になっちゃって

もう竹竿、貸していらない

おまえばっか釣れるの悔しい

それに

おまえ

ここにはでっかいフナ?だかチヌ?がいる

それを釣り上げてみせる

つってるけど

釣れるのブルー・ギルばっかじゃんか

そんで

ブルー・ギルは餌ごと釣り針を飲み込んじゃうから

針を外すのが困難だからつって

内臓ごと引き千切るのはどうかと思うよ

足元を見てみろよ

ブルー・ギルの肉片で大変なグロになってるじゃないか

なので

釣りなんて楽しくないから俺はもうやらない

ということで

その日は手ぶらで友達の釣りに付き合った形だった




ここの溜池はアレだった

釣竿を持ってなくて釣りができなくても

ウシガエルがいたので退屈しなかった

ここに来る度に

水面に微動だにせず、ぷかっと浮かんでいるウシガエルが数匹おりまして

それに向かって石を投げて遊ぶのが楽しかった

ウシガエルの後頭部などに

上手く石礫がクリティカル・ヒットしますると

『 バコッ 』

という音と共に

ウシガエルは水中に沈んでいきまして

しばらくすると腹を見せて浮かんでくるのです

そして

またしばらくすると

意識を取り戻したウシガエルは

慌てて手足をバタつかせながら水中へと逃げていくのでした

それが楽しくて楽しくて

釣りをしなくても同行する意味があった





その日

溜池に到着したのは午後の2~3時だったか・・・

到着してすぐ

友達2人は溜池の水を掌ですくって練り餌を作り、釣りを始めたので

俺は釣り糸の先をしばらく観察していたが

釣れる気配がなかったのですぐに飽きてしまい

ウシガエル・ハンターとして溜池の縁を歩き回っていた

509a97a1.jpeg

























その日も池に浮かんだウシガエルを2匹ほど発見した

だけども

投げた石が大きく外れてしまい

警戒したウシガエルたちは水中に潜ってしまった

そして

俺の肩では届かない池の中央付近にまで逃げられてしまった

なので結局

その日はウシガエル・ハンターとしてのプライドを痛く傷つけられ

大人しく友達が釣りをしている場所まで戻った





戻ってみると

いつものように友達の足元にはブルー・ギルの死体が並んでいて

しかも

友達2人の釣り糸が絡んでしまい

外すのが不可能な状態になってしまったとかで

友達2人は泣く泣く釣り糸をカッターで切断するという決意をしたとこだった

俺の見てる前で釣り糸は切断され

友達は2人とも代えの糸を持ってなかったので

この日の釣りは強制的に終了となった






友達2人が釣りの道具をバッグにしまい込み

さあ、帰ろうか

となったのは5時過ぎくらいだったと思う

辺りはほんの少しだけ薄暗くなっていたけど

街灯が灯る程の暗さではなかった

溜池の向こう岸まではっきり見えるくらいだった








溜池のフェンスのとこに停めといたチャリンコに跨って

5足

6足

漕ぎ出したとこで

俺はなんとなく溜池のほうに振り返った

振り返って見た景色は

これと同じ景色だったと思う

3c2b9372.jpeg

























俺は友達2人に挟まれた位置に居たんだけど

遅れている友達を気遣って振り返ったとか

なにか忘れ物をしたと思って振り返ったとかじゃなかった

なんとなく振り返ったのだと思う





そこで目にしたのは

真っ白い犬だった

ハスキー犬よりも一回り二回り大きくて

毛足の長い真っ白な犬

それが

fimg_1272368515.png


















この赤線のルートをすごい速さで走っていき

そのまま

溜池に飛び込んだ





今でもハッキリ覚えているけど

本当に美しい犬だった

全身、本当に真っ白な毛色をしていて

洋犬のように長い足で地面を蹴る度にすごい加速をした

そして

溜池の水場近くまで来たときに

頭を低くして前足を揃え

そのまま溜池の水面にダイブした





そんな光景を見た俺は

びっくりして

「 あっ! 」



声を出してしまい

友達2人も俺に注目した後に

俺が見ている溜池のほうに視線を移した





友達 「 どうした? どうした? 」


俺  「 犬が・・・ 」


友達 「 犬? どこに? 」


俺  「 いや・・・溜池に・・・ 」


友達 「 池にどうしたよ? 」


俺  「 あそこに飛び込んだんだよ! 」


友達 「 えっ! どこ! どこ? 」


俺  「 ちょっと待っとけって! もうすぐ息継ぎに浮かんでくるから! 」






結局

1分くらい溜池の水面を友達と眺めていたけど

犬、浮かんでこんかった

俺は友達に 嘘つき! と言われた

だけども

「 本当に見たんだって! 本当だって! 真っ白の! 犬! 」



友達の手を引いて犬がダイブした場所まで見に行ったので

その真剣さに友達も

なにか見間違えたんじゃないのか?

という意見に変えてくれた





そして

友達と別れて自宅に戻り

勉強机でその日の不思議な出来事を思い返していたとき

ちょっとおかしいことに気づいた

真っ白な犬は間違いなく見た

そこに存在していた

と確信していたけど

よく考えたら

犬がダイブしたときの溜池の水面

波も立たなかったし、波紋も広がらなかった

水飛沫すら上がらなかった

おかしい・・・

やっぱり幻だったんだろうか・・・






今、考えると

中学1年生だし、まだ脳味噌が未成熟だったから

あんな白昼夢を見たんじゃないかと思ったりしたけど

あの頃の馬鹿頭の俺にしたら出来過ぎた白昼夢だった

あんな神秘的な白昼夢を作り出せる脳味噌じゃなかった筈だ

だって もののけ姫 なんかも、まだ創られてなかった頃だし

あの頃はまだ自宅で犬を飼ってたけど

そいつは雑種の汚い茶色の犬で

あんな神秘的な犬とは比べようがない犬だったし

犬に関したモノであの頃の俺が影響を与えられたモノ・・・

銀河伝説?だったっけか

白い犬が回転しながら熊を倒す漫画・・・

違うんだ

あんなじゃなくて

毛色が一点の汚れもないくらい真っ白で毛足が長く

鼻先も狼みたく長くて

さらに

足もボルゾイみたく長くてスラッとしていた

たった数秒だったけど

走っているときに真っ白い毛が体の後方に流れていて綺麗だった

走ってる姿があまりに美しくて

その犬が通過した後の景色が歪んでいるように見えた

なんというか景色・空気を切り裂いていくような感じに見えた

あんな神秘的な白昼夢・犬を

あの頃の俺の残念な脳味噌が生み出したとは思えないんだ






ということで

ここの溜池にはなんかあるんだぜ!

なんか秘密が眠ってるんだぜ!

という思いのまま10数年も生きてきたので

この溜池周辺を探索してみることにした。



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