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2024/12/05 EDIT CATEGORY: ▲ TRACKBACK URL
- Newer : 我が名はハム! 野良犬の王なり! ②
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2024/12/05 EDIT CATEGORY: ▲ TRACKBACK URL
海の家では娯楽がない。
かなり昔に買ったコンポもCDの出し入れ口が死んでるし
ラジオの受信機能も壊れているようでラジオも聴けない。
( ウォークマンがあるけど海の家では出来るだけ聴かないようにしている )
ガラケーでインタネッツみるのもアレだし。
ですから
海の家に独り居て
耳に聞こえてくるのは
風の音と木の葉が擦れ合う音とか
訳の分からん虫どもの鳴声とか
近くの茂みの中でタヌキがギャー!ギャー!喧嘩してる声とか
あとは
微かに小波が砕ける音くらいですので
まっこと退屈極まりないのだけど
それがまた慣れると楽しいというか心地良い。
孤独とか苦手な人は駄目だろうけど
俺は独りで居るのがけっこう好きですから
ぜんぜん大丈夫。
北チョンのスパイなどに拉致されそうな海沿いの夜道も
鼻歌しながらフンフン ♪ と歩いて楽しんでいる。
これが一昔前だったら
かなりの危険行為だと思う。
今現在でも
《 不審船を見つけたら通報して下さい 》
などと表記された立て看板が海沿いに存在しているくらいだから。
で
このまえ海の家に宿泊し
その退屈な夜の時間を楽しみながら
下手糞なギター弾いたり
漫画読んだりしていたが
そういうのも両方、1時間くらいで集中力が切れたり飽きたりするから
布団に転がりながら
腹の上にバスタオル乗っけた状態で
色々と過去の事を思い出したりしていた。
その思い出の中から
ハムの思い出を書き残そうと思う。
今なんて調度お中元の時期まっただなかですし
ハムの話してもいいんじゃないかと思うから。
我が名はハム! そして! 野良犬の王である!
という話だ。
あれはそう...........
ワタシが18か19くらいの頃だったか。
ハム屋さんでバイトしてたのよワタシ。
ワタシ、気ままなフリーターだったのよ。
ハム屋つっても
どこかの商店街でハム売るバイトじゃなくて
地元のハムの営業所?みたいな所でバイトしてた。
名前を出すとアレだから
まあ、ここだったのよ。
以下、名前は伏せてハム屋と書く。
で
俺の仕事内容はと言うと
所謂、倉庫業だったのよ。
倉庫業つっても20畳くらいある冷蔵庫と冷凍庫をいったりきたりするやつだった。
トラックで納入されてくるハムなどをそこに運んで
冷蔵庫の中で積み上がったハムの箱から
賞味期限が古いのを前だしとかするヤツだったのよ。
ハムの重さなんて たかが知れているからな。
肉体的な辛さは ちっとも感じなかったでヤンスね。
で
当時、付き合ってた彼女が居て
その娘は あんまり人の事情を勘繰ろうとしない娘だったから
俺のバイトの職種とか訊いてこなかった。
それでハム屋でバイトを始めて3ヶ月くらい経ってから
要約
『 そういえばバイトって何処でやってるの?』
つって訊いてきたから
『 ん? ハムだよハム。 ハム屋さん。 』
つったら
爆笑された。
『 アハハハハハハ! 嘘ついてるでしょ! 』
『 ハム屋ってなんなのアハハハハハハ! 』
『 なんなのハム屋っていう響きが面白すぎるアハハハハハハ! 』
ということで
腹を抱えて笑う彼女を
こちらも
えへへ、そうかな? そんなに面白い?
ハム屋って変かな?
みたいに笑って返事してたけど
結局のところ
あんたはそのハム屋でどんな作業してるのか?
と、訊かれたから
先に書いた通り倉庫業をやっております。
と、答えたのだ。
で
それにしてもハム屋とか似合わねえアハハハハハハ!
つわれたので
アホめ! 自給もソコソコ貰えるんだぞ!
飲食業のバイトみたいに客にペコペコしなくてもいいしさ!
つっといた。
しかしながら
彼女の言う似合わないつうのも、まあ、分かる気がした。
当時の俺は毛先とか赤く染めたりしてたから
そんなのがハム屋でバイトとかしてたら
けっこう面白いのかも知れないと思った。
そうして
ハム屋の事を告白してから1ヶ月くらい経ったのだけど
その間に
彼女が俺の事を
《 ハムさん 》
と、呼び出した。
元々、あだ名が2文字で
ハムという響きに似たあだ名だったものですから
ハムさん と呼ばれるようになってしまった。
そしてから
当時は彼女を交えて色んな友達グループと交際があったから
そういうグループとメシ食いに行ったりすると
初めて会う人らも居た。
そうすると
『 えっと、俺はSモッキの友達の何々と言う名前だけど 』
『 君の事は何て呼べばいい? 名前はなに? 』
などという局面に立たされる事も多くありまして
それに対して
恥ずかしがり屋の俺は
『 えっと.......... そうだな.......... 俺は........... 』
と、口ごもっていると
彼女がしゃしゃり出てきて
『 この人はハムさんだよ! ハムさんって呼んでね 』
ついやがった。
相手は困惑顔になり
『 ハム? え? なにそれ? あだ名がハムなの? 』
『 それにしたって、どうしたら そんなあだ名に.......... 』
『 まあ、それでいいなら、そう呼ばせて貰うけど 』
『 ハム!って呼ぶのも失礼だし ハムさん って呼ぶよ 』
ということになった事例が幾つも続いた。
それがまた加速しやがって
ごく親しい仲間内からも面白がられて
みんなから ハムさん! と、呼ばれだす始末...............。
コンビニとかで偶然顔を合わせても
『 おっ! ハムさんじゃないか! なにしてるの? 』
とか。
少し彼女を憎んだりしたが
2ヶ月くらい経つと俺も段々と慣れてしまい
ハムさん! と呼ばれても動じなくなった。
何ヶ月間くらい
みんなからハムハム言われてただろう?
ハムさん というあだ名に書き換えられた事で得した事などなかった。
大体がアレだ。
俺が太っていてムチムチしているなら
あだ名が ハムさん でも良いと思ったが
当時から俺は痩せっぽちだったから
ハムさん なんてあだ名はちっとも馴染まないんだよな。
しかしながら
ハムさん と呼ばれる事で
これは......... ハムさん で居るのも悪くないな.............
と、思った事柄が ひとつだけあった。
彼女と交尾してるときに
耳元で
『 はぁむ さぁん 』
と、吐息混じりに呼ばれた時には
うひょー! と、思った。
そうだ! おまえはハムの人に抱かれてるんだぜ!
ハムの人なんかとおまえセックスなんてしちゃって
おまえはアレだな! ぐへへ! ハムの人なんかと! ぐへへ!
みたいな
なんか悪い性癖の芽が出たような気がして
少しだけ罪悪感なども感じたけど
なんせ若かったものですから
交尾中の ハムさん は気に入っていた。
という事なんだが
長くなったので次に続けようと思う。
とりあえず
俺がハム屋でバイトを始めた為に
一時期あだ名が ハムさん になってしまったという事だ。
そして ハムさん となった俺が
行く行くは公園の野良犬たちの王として君臨する事になるのだ。
2013/08/13 EDIT CATEGORY:懐古 ▲ TRACKBACK URL
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